「好きやってんよ。ホンマ好きやってん」
目の前で震える躰を抱き締める事は出来なくて、
それなのに抱き締めたいと思う気持ちは
止められなくて……
差し出しただけの手が
行き場を無くして彷徨う。
お前がアイツの事を好きなのは知ってたよ。
アイツに付き合ってる彼女が居るのも知ってた。
だけど言えなかった。
ごめんな。
お前の傷付いた姿を見るのが嫌だったんだ。
でもお前……知ってたんだな。
全部知っててアイツの事好きだったんだな。
なあ、だけどこれは知らないだろ?
俺がお前を好きなんだって。
「今でもメッチャ好きやねん。せやけど困らせたい訳とちゃう」
「うん……」
頷いて背中を撫でてやると、
俺にぎゅっと抱き付いて来た。
あぁ。欲望と理性の戦い。
そんな阿呆な事を考えながら顔を覗き込むと、
涙を一杯溜めた瞳が、俺の胸に擦り付けられた。
「鼻水付けんなよ?」
わざと軽い口調で告げると
「付けんわ、ボケッ」
と返って来た。
それでも鼻を啜る音は止まらなくて、
あぁ、もう……。
愛しい。
今すぐじゃなくて良いよ。
だけど、いつかは気付けよ?
お前がアイツを見てたのと同じくらい……
いや、それ以上に
お前の事見つめてる奴が居るんだって事。
目の前で震える躰を抱き締める事は出来なくて、
それなのに抱き締めたいと思う気持ちは
止められなくて……
差し出しただけの手が
行き場を無くして彷徨う。
お前がアイツの事を好きなのは知ってたよ。
アイツに付き合ってる彼女が居るのも知ってた。
だけど言えなかった。
ごめんな。
お前の傷付いた姿を見るのが嫌だったんだ。
でもお前……知ってたんだな。
全部知っててアイツの事好きだったんだな。
なあ、だけどこれは知らないだろ?
俺がお前を好きなんだって。
「今でもメッチャ好きやねん。せやけど困らせたい訳とちゃう」
「うん……」
頷いて背中を撫でてやると、
俺にぎゅっと抱き付いて来た。
あぁ。欲望と理性の戦い。
そんな阿呆な事を考えながら顔を覗き込むと、
涙を一杯溜めた瞳が、俺の胸に擦り付けられた。
「鼻水付けんなよ?」
わざと軽い口調で告げると
「付けんわ、ボケッ」
と返って来た。
それでも鼻を啜る音は止まらなくて、
あぁ、もう……。
愛しい。
今すぐじゃなくて良いよ。
だけど、いつかは気付けよ?
お前がアイツを見てたのと同じくらい……
いや、それ以上に
お前の事見つめてる奴が居るんだって事。
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何回も削ったり重ねたりしたキャンバスには
すでに初めにのせてた色は存在しなくて
ただ、深い色が表面で波打っている。
最初の頃に敷いていたのは
優しくて明るい色だったはずなのに
今は少し……暗い。
まるで、本当の気持ちを
何遍も違う色(おもい)を重ねて
隠してる……俺みたいだ。
独特な油の臭いと手入れの面倒さから
油絵は描かないと決めているあいつの絵は
澄んでいて綺麗だ。
水彩ならではのタッチで
優しく描くあの絵が俺は好きで……
あいつの感受性に憧れた。
そして、それに比べて……と
何重にも重なる絵の具の層を撫でる。
乾き切っていないそれが、
クニャッと少しだけ形を変えた。
指紋が付いてしまった事に慌てて指を離すと、
水を入れ替えたらしいあいつが戻ってきた。
「相変わらず迫力あるな」
そう呟いたあいつの顔を盗み見ると、
眩しそうに目を細めている。
俺からしたら、
あいつの作り出す優しい色の方が何倍も好きで
重ねに重ねているだけのキャンバスの上で
一体何層出来てるのかも分からない自分の絵のどこに
迫力を見出だしてくれたのか良く分からない。
なぁ、俺が隠してる気持ちを告げたら
お前は俺を軽蔑するだろうか?
もう今までみたいに接してはくれなくなるだろうか?
心の奥の本当の気持ち
全部……全部
この油彩みたいに
覆ってしまえたら良いのに。
だけど……
いつかこの気持ちを
伝えても……良いか?
すでに初めにのせてた色は存在しなくて
ただ、深い色が表面で波打っている。
最初の頃に敷いていたのは
優しくて明るい色だったはずなのに
今は少し……暗い。
まるで、本当の気持ちを
何遍も違う色(おもい)を重ねて
隠してる……俺みたいだ。
独特な油の臭いと手入れの面倒さから
油絵は描かないと決めているあいつの絵は
澄んでいて綺麗だ。
水彩ならではのタッチで
優しく描くあの絵が俺は好きで……
あいつの感受性に憧れた。
そして、それに比べて……と
何重にも重なる絵の具の層を撫でる。
乾き切っていないそれが、
クニャッと少しだけ形を変えた。
指紋が付いてしまった事に慌てて指を離すと、
水を入れ替えたらしいあいつが戻ってきた。
「相変わらず迫力あるな」
そう呟いたあいつの顔を盗み見ると、
眩しそうに目を細めている。
俺からしたら、
あいつの作り出す優しい色の方が何倍も好きで
重ねに重ねているだけのキャンバスの上で
一体何層出来てるのかも分からない自分の絵のどこに
迫力を見出だしてくれたのか良く分からない。
なぁ、俺が隠してる気持ちを告げたら
お前は俺を軽蔑するだろうか?
もう今までみたいに接してはくれなくなるだろうか?
心の奥の本当の気持ち
全部……全部
この油彩みたいに
覆ってしまえたら良いのに。
だけど……
いつかこの気持ちを
伝えても……良いか?
memo
大概BLで時々どっちつかず(笑)
ちゃんとしたストーリーと通常日記はありません。
ちゃんとしたストーリーと通常日記はありません。
カテゴリー説明
詞 ⇒ 書きなぐり。時々私的メモ。
彼之詞 ⇒ サイトのキャラの詞綴
君之詞 ⇒ 学生二人が交互に心情を綴ってます。
掛詞 ⇒ 1種を両視点から。
他 ⇒ お知らせ、その他。
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