葉が珍しく外食しようと言ってきたので、バイトが休みの日を選んで学校帰りに駅で待ち合わせした。
そこから電車に乗り、いつもの駅よりふたつ先で降りて徒歩15分程度のファミレスに向かう。
滅多にしない外食だから、と高級料理店を選ぼうとしていた葉に、制服では浮いてしまいそうな店は嫌だと言って無難な此所にして貰った。それにオレは葉と一緒に居られるなら、食事は高価じゃなくても良い。葉が隣りに居てくれるだけで嬉しい。
葉と話しながら歩いていると、向かいからオレ達と同じ様な、スーツと制服の二人組が歩いて来るのが視界の端に入る。
年の離れた兄弟だろうか?
オレ達も他人の目にはこんな風に映るのかもしれない。そんな事を思いながらスーツ姿の男性を見て、学生を見る。
そこで息を呑んだ。
最後に会った時よりも幾分大人びているが、まだまだ可愛い印象が抜けていない。母親似だと言ったその可愛らしい顔をオレはよく覚えている。
「あ」
目が合って同時に声を発していた。
何となく四人共立ち止まる。オレがちらりと彼の隣りに佇むスーツ姿の男性に目を向けると、何故かユキも葉を見ていた。
もうどのくらい経つだろうか?
あれから、彼がどうなってしまったか気にはなっていた。
けれど、オレがどうにか出来るはずもないし、足を洗ったオレには情報すら入ってはこなかった。
「久しぶり」
「うん、久し……ぶり」
ユキがそう返したのとほぼ同時に葉がオレの腕を肘でつつく。
「カズ、誰?」
葉の疑問は尤もなのだが、困った事にオレは彼の本名を知らない。
正しくはユキが本名の一部なのか、全く関係無い名なのか、はたまたユキ自体が本来の名なのか、何も分からない。
ユキの隣りにいる男性が、彼とどういう関係か分からない以上、下手に紹介する訳にはいかなかった。
「瀬/尾/幸/久です」
オレが困っていたからだろう。ユキの方から名乗ってくれた。すぐにオレも名乗り返す。
「……藤/堂/和/弘」
そこまで言って何故か急におかしく思えて、二人で顔を見合わせて笑ってしまった。
オレたちはやっと本当の姿で向き合えたんだ。
「どんな、関係なんだ?」
余程気になるのか葉がオレの顔を覗く。そんな葉を可愛いなと思いながらも、その質問に何と答えたものか悩んだ。
仲間? ライバル?
いや、それよりは……
「友達」
かな?
答えてからもう一度ユキを見ると、彼は嬉しそうに笑っていた。
本当は、どちらかと言うと弟に近い気がする。
オレと出会ったばかりの頃は、まだ誰とも肌を重ねていなかったユキ。
汚れない身体で、意思だけはガンッと曲げなくて。
あんな道を選ばせてしまったのはオレだったかもしれない。
ユキはオレと出会わなければ、こんな生き方など知らずにすんだだろう。
だけど、懐いてくれたユキが、オレは純粋に好きだった。ずっと幸せになって欲しいと願ってた。
一番大切なものは人によってそれぞれ異なる。
おそらくあの頃のユキには自分の身体よりももっと大切な何かがあったのだろう。
オレにとって両親との思い出がそうだった様に。
つとユキの隣りの男性を見つめる。
見た目だけで判断するのは良くないけれど、優しそうな人だ。何よりユキを見つめる瞳が柔らかい。どんな関係かは分からないけど、彼がユキを大切に思っているのは間違いないと思う。
だからオレは、ユキにいま幸せかと尋ねた。
すると驚いた様子を見せながらも、すぐに頷く。
それが嬉しくてユキをぎゅっと抱き締めた。
するとユキの隣りの男性がほんの一瞬だけれど嫉妬した様な視線を寄越す。だからオレは余計に嬉しくなった。
だってそれだけユキを大切に想ってるって事だろ?
「良かった」
そう口にすると、すぐに「ヒロは?」と訊き返される。
その質問に言葉ではなく微笑みを返すと、それだけで分かってくれたらしく、彼も笑顔を向けてくれた。
たいして何かを話した訳じゃない。あのあと二、三言葉を交わすだけですぐに別れた。
けれど、この偶然がとても嬉しかった。
「和弘」
「ん?」
二人と別れたあと、しばらくその後ろ姿を見送っていたのだが、名を呼ばれて葉を見る。彼は少し考える様に眉を寄せていた。
「どうしたの?」
「あの制服」
制服? ユキの……だよな?
それがどうかしたのだろうか?
「あれ、かなりレベルの高い高校のだぞ」
「え? そうなの?」
「あぁ、確か医者とか弁護士とか目指してるヤツが多いと聞いた覚えがある」
「……そっか」
嬉しくてにっこりと笑うと、葉が不思議そうに首を傾ける。
「嬉しいのか?」
「だって、そんな高校に行くって事は、彼が何かしら目指す道を見つけたって事でしょ?」
オレの言葉に、ユキとは初対面の葉もそうだなと笑ってくれた。
オレたちは、もしかしたらもう会う事は無いかもしれない。オレとユキは目指す場所が違うから。
でもそれで良いと思う。
ねぇユキ。君の夢が叶うと良いね。
それから隣りを見つめる。
オレの願いはただひとつ。
いつまでも貴方と一緒に……。
※ 名前が検索に引っかかってしまうみたいなので、若干対処してます。もしかしたら後にこの記事自体削除するかもしれません。
そこから電車に乗り、いつもの駅よりふたつ先で降りて徒歩15分程度のファミレスに向かう。
滅多にしない外食だから、と高級料理店を選ぼうとしていた葉に、制服では浮いてしまいそうな店は嫌だと言って無難な此所にして貰った。それにオレは葉と一緒に居られるなら、食事は高価じゃなくても良い。葉が隣りに居てくれるだけで嬉しい。
葉と話しながら歩いていると、向かいからオレ達と同じ様な、スーツと制服の二人組が歩いて来るのが視界の端に入る。
年の離れた兄弟だろうか?
オレ達も他人の目にはこんな風に映るのかもしれない。そんな事を思いながらスーツ姿の男性を見て、学生を見る。
そこで息を呑んだ。
最後に会った時よりも幾分大人びているが、まだまだ可愛い印象が抜けていない。母親似だと言ったその可愛らしい顔をオレはよく覚えている。
「あ」
目が合って同時に声を発していた。
何となく四人共立ち止まる。オレがちらりと彼の隣りに佇むスーツ姿の男性に目を向けると、何故かユキも葉を見ていた。
もうどのくらい経つだろうか?
あれから、彼がどうなってしまったか気にはなっていた。
けれど、オレがどうにか出来るはずもないし、足を洗ったオレには情報すら入ってはこなかった。
「久しぶり」
「うん、久し……ぶり」
ユキがそう返したのとほぼ同時に葉がオレの腕を肘でつつく。
「カズ、誰?」
葉の疑問は尤もなのだが、困った事にオレは彼の本名を知らない。
正しくはユキが本名の一部なのか、全く関係無い名なのか、はたまたユキ自体が本来の名なのか、何も分からない。
ユキの隣りにいる男性が、彼とどういう関係か分からない以上、下手に紹介する訳にはいかなかった。
「瀬/尾/幸/久です」
オレが困っていたからだろう。ユキの方から名乗ってくれた。すぐにオレも名乗り返す。
「……藤/堂/和/弘」
そこまで言って何故か急におかしく思えて、二人で顔を見合わせて笑ってしまった。
オレたちはやっと本当の姿で向き合えたんだ。
「どんな、関係なんだ?」
余程気になるのか葉がオレの顔を覗く。そんな葉を可愛いなと思いながらも、その質問に何と答えたものか悩んだ。
仲間? ライバル?
いや、それよりは……
「友達」
かな?
答えてからもう一度ユキを見ると、彼は嬉しそうに笑っていた。
本当は、どちらかと言うと弟に近い気がする。
オレと出会ったばかりの頃は、まだ誰とも肌を重ねていなかったユキ。
汚れない身体で、意思だけはガンッと曲げなくて。
あんな道を選ばせてしまったのはオレだったかもしれない。
ユキはオレと出会わなければ、こんな生き方など知らずにすんだだろう。
だけど、懐いてくれたユキが、オレは純粋に好きだった。ずっと幸せになって欲しいと願ってた。
一番大切なものは人によってそれぞれ異なる。
おそらくあの頃のユキには自分の身体よりももっと大切な何かがあったのだろう。
オレにとって両親との思い出がそうだった様に。
つとユキの隣りの男性を見つめる。
見た目だけで判断するのは良くないけれど、優しそうな人だ。何よりユキを見つめる瞳が柔らかい。どんな関係かは分からないけど、彼がユキを大切に思っているのは間違いないと思う。
だからオレは、ユキにいま幸せかと尋ねた。
すると驚いた様子を見せながらも、すぐに頷く。
それが嬉しくてユキをぎゅっと抱き締めた。
するとユキの隣りの男性がほんの一瞬だけれど嫉妬した様な視線を寄越す。だからオレは余計に嬉しくなった。
だってそれだけユキを大切に想ってるって事だろ?
「良かった」
そう口にすると、すぐに「ヒロは?」と訊き返される。
その質問に言葉ではなく微笑みを返すと、それだけで分かってくれたらしく、彼も笑顔を向けてくれた。
たいして何かを話した訳じゃない。あのあと二、三言葉を交わすだけですぐに別れた。
けれど、この偶然がとても嬉しかった。
「和弘」
「ん?」
二人と別れたあと、しばらくその後ろ姿を見送っていたのだが、名を呼ばれて葉を見る。彼は少し考える様に眉を寄せていた。
「どうしたの?」
「あの制服」
制服? ユキの……だよな?
それがどうかしたのだろうか?
「あれ、かなりレベルの高い高校のだぞ」
「え? そうなの?」
「あぁ、確か医者とか弁護士とか目指してるヤツが多いと聞いた覚えがある」
「……そっか」
嬉しくてにっこりと笑うと、葉が不思議そうに首を傾ける。
「嬉しいのか?」
「だって、そんな高校に行くって事は、彼が何かしら目指す道を見つけたって事でしょ?」
オレの言葉に、ユキとは初対面の葉もそうだなと笑ってくれた。
オレたちは、もしかしたらもう会う事は無いかもしれない。オレとユキは目指す場所が違うから。
でもそれで良いと思う。
ねぇユキ。君の夢が叶うと良いね。
それから隣りを見つめる。
オレの願いはただひとつ。
いつまでも貴方と一緒に……。
※ 名前が検索に引っかかってしまうみたいなので、若干対処してます。もしかしたら後にこの記事自体削除するかもしれません。
「あ」
再会は本当に偶然だった。互いに開いた口が塞がらず、そのままの状態で相手の隣りに佇む人をちらりと見てしまっていた。
そんな僕の手を樹さんがそっと握る。その手を握り返したのとほほ同時に話し掛けられた。
「久しぶり」
「うん、久し……ぶり」
「カズ、誰?」
ヒロの隣りの男性がヒロの腕をツンとつつきながら口にした名に驚いてしまったが、彼の本名を知らない事実を今さら思い出した。
それはヒロも同じで、彼も僕の本名を知らない。
だから困った様に僕を見ていた。
「瀬/尾/幸/久です」
「……藤/堂/和/弘」
僕が名乗ると、ヒロもすぐに名乗り返して、僕らは少し笑った。
馬鹿みたいだけど互いに初めて本当の名を名乗って再会を果たした。
隣りに居る男性にどんな関係? と訊かれたヒロは少し考えた素振りを見せてから、「友達」と答えていた。
それが僕には嬉しかった。
僕らが実際どういう関係だったのかは酷く曖昧で、ヒロの事は好きだったし信頼もしていたけれど……同時に同僚……いや商売敵? でもあった。だけど、年が近い僕に何かと構ってくれた彼は、もしかしたら兄に近い存在かもしれない。
初めて躰を繋げたのは、ヒロが紹介してくれた人だった。2、3回は関係を持ったその人を、実はあまり覚えていない。けれど優しい人だったと思う。多分最初が北条みたいな人間だったなら僕はきっと人として何かを失っていた気がする。
感謝……している。
どうしてもこの仕事をやると譲らない僕に、その辛さを説いてやめさせようとした人。本気で心配してくれた人。
一つしか違わないのにあの頃の僕には彼が随分大人に見えたんだ。
「ねぇユキ。いま幸せ?」
唐突に尋ねられて驚いたが、すぐに頷くとヒロが僕をぎゅっと抱き締めた。その事に樹さんが僅かに眉を顰めたが、特に何も言わないまま僕らを見守ってくれる。
「良かった」
そう耳元で囁かれて、あぁ僕は何て恵まれているのだろうと知った。
こんなにも心配してくれていた人が居る。それは簡単な様で難しい。
ヒロには両親が居ない。これは売りをしてた時に聞いていた。
そして今は僕も彼と同じ。でも傷を舐め合うんじゃない。互いに少しでも支え合えたらと思う。
「ヒロは?」
尋ね返すと、言葉ではなく微笑まれた。
その笑顔だけで充分伝わる。
大切な物があった。
ヒロからは詳しく訊いて無いから分からないけれど、それはおそらくは彼も同じ。
ねぇだけど、同じくらい大切な物を見つけた。
――僕らに幸せなんて訪れるの?――
答えの得られない疑問をずっと抱いていた。
だけど今なら答えられる。
僕は今、幸せです。と。
※ 名前が検索に引っかかるみたいなので若干対処してますが、もしかしたら後にこの記事自体削除するかもしれません。
再会は本当に偶然だった。互いに開いた口が塞がらず、そのままの状態で相手の隣りに佇む人をちらりと見てしまっていた。
そんな僕の手を樹さんがそっと握る。その手を握り返したのとほほ同時に話し掛けられた。
「久しぶり」
「うん、久し……ぶり」
「カズ、誰?」
ヒロの隣りの男性がヒロの腕をツンとつつきながら口にした名に驚いてしまったが、彼の本名を知らない事実を今さら思い出した。
それはヒロも同じで、彼も僕の本名を知らない。
だから困った様に僕を見ていた。
「瀬/尾/幸/久です」
「……藤/堂/和/弘」
僕が名乗ると、ヒロもすぐに名乗り返して、僕らは少し笑った。
馬鹿みたいだけど互いに初めて本当の名を名乗って再会を果たした。
隣りに居る男性にどんな関係? と訊かれたヒロは少し考えた素振りを見せてから、「友達」と答えていた。
それが僕には嬉しかった。
僕らが実際どういう関係だったのかは酷く曖昧で、ヒロの事は好きだったし信頼もしていたけれど……同時に同僚……いや商売敵? でもあった。だけど、年が近い僕に何かと構ってくれた彼は、もしかしたら兄に近い存在かもしれない。
初めて躰を繋げたのは、ヒロが紹介してくれた人だった。2、3回は関係を持ったその人を、実はあまり覚えていない。けれど優しい人だったと思う。多分最初が北条みたいな人間だったなら僕はきっと人として何かを失っていた気がする。
感謝……している。
どうしてもこの仕事をやると譲らない僕に、その辛さを説いてやめさせようとした人。本気で心配してくれた人。
一つしか違わないのにあの頃の僕には彼が随分大人に見えたんだ。
「ねぇユキ。いま幸せ?」
唐突に尋ねられて驚いたが、すぐに頷くとヒロが僕をぎゅっと抱き締めた。その事に樹さんが僅かに眉を顰めたが、特に何も言わないまま僕らを見守ってくれる。
「良かった」
そう耳元で囁かれて、あぁ僕は何て恵まれているのだろうと知った。
こんなにも心配してくれていた人が居る。それは簡単な様で難しい。
ヒロには両親が居ない。これは売りをしてた時に聞いていた。
そして今は僕も彼と同じ。でも傷を舐め合うんじゃない。互いに少しでも支え合えたらと思う。
「ヒロは?」
尋ね返すと、言葉ではなく微笑まれた。
その笑顔だけで充分伝わる。
大切な物があった。
ヒロからは詳しく訊いて無いから分からないけれど、それはおそらくは彼も同じ。
ねぇだけど、同じくらい大切な物を見つけた。
――僕らに幸せなんて訪れるの?――
答えの得られない疑問をずっと抱いていた。
だけど今なら答えられる。
僕は今、幸せです。と。
※ 名前が検索に引っかかるみたいなので若干対処してますが、もしかしたら後にこの記事自体削除するかもしれません。
ラジオから聞こえた貴方の唄声に知らず涙が溢れた。
どんなに貴方の名前を叫んだって、もう貴方には届かない。
だからボクは貴方の名前を呼んだりしない。
呼べば呼ぶだけ貴方との距離を思い知らされる。
分かってる。
貴方はもうボクの知ってる貴方では無いのだと。
『遠くに行っても変わらないよ』
嘘つき、嘘つき。
ウソツキ。
でも知ってた。
変わらない関係なんて無いよ?
ましてや貴方はもう手の届かない人。
名声なんて知らない。
そんなの、望まなかった。
ボクはただ、貴方の声が好きで、貴方の唄が好きで……。
ただそれだけだった。
『君だけに、俺の唄をあげる』
イラナイよ。
貴方は全然分かって無い。
有名になって欲しかった訳じゃ無い。
側にいて欲しい。
ただそれだけだったのに。
どんなに貴方の名前を叫んだって、もう貴方には届かない。
だからボクは貴方の名前を呼んだりしない。
呼べば呼ぶだけ貴方との距離を思い知らされる。
分かってる。
貴方はもうボクの知ってる貴方では無いのだと。
『遠くに行っても変わらないよ』
嘘つき、嘘つき。
ウソツキ。
でも知ってた。
変わらない関係なんて無いよ?
ましてや貴方はもう手の届かない人。
名声なんて知らない。
そんなの、望まなかった。
ボクはただ、貴方の声が好きで、貴方の唄が好きで……。
ただそれだけだった。
『君だけに、俺の唄をあげる』
イラナイよ。
貴方は全然分かって無い。
有名になって欲しかった訳じゃ無い。
側にいて欲しい。
ただそれだけだったのに。
泣き続けて眼は赤く腫れているのに、それでも涙は枯れる様子を見せない。
嗚咽を漏らしては、俺に「ごめん」を繰り返す。
何で……謝るんだよ。
別にお前は何もしていないだろ?
何にも悪い事なんてしていないじゃないか。
お前はただ人を好きになっただけ。
少し普通と違ったのは、それが同性だった事。
そしてその相手に彼女がいたってだけ。
それは何も悪い事などではない。
彼女から盗ろうなんてしなかったし、困らせる様な事も言わなかった。
たった一言の告白を除いては一度たりとも。
それでもその一度で全てが崩れた。
変わってしまった二人の関係。
それからこいつは独りで泣く事が増えた。
でもそんなの寂しすぎるじゃないか。
だから俺は無理矢理でも、泣くなら俺の隣りにしろって言ったんだ。
お前はそれを俺の優しさだと思ったみたいだけど、そんな綺麗な想いじゃない。
俺は、傷心に付け込んででもお前を手に入れたいんだ。
卑怯でも良いよ。
好きってそんな綺麗事ばかりじゃ無いんだから。
嗚咽を漏らしては、俺に「ごめん」を繰り返す。
何で……謝るんだよ。
別にお前は何もしていないだろ?
何にも悪い事なんてしていないじゃないか。
お前はただ人を好きになっただけ。
少し普通と違ったのは、それが同性だった事。
そしてその相手に彼女がいたってだけ。
それは何も悪い事などではない。
彼女から盗ろうなんてしなかったし、困らせる様な事も言わなかった。
たった一言の告白を除いては一度たりとも。
それでもその一度で全てが崩れた。
変わってしまった二人の関係。
それからこいつは独りで泣く事が増えた。
でもそんなの寂しすぎるじゃないか。
だから俺は無理矢理でも、泣くなら俺の隣りにしろって言ったんだ。
お前はそれを俺の優しさだと思ったみたいだけど、そんな綺麗な想いじゃない。
俺は、傷心に付け込んででもお前を手に入れたいんだ。
卑怯でも良いよ。
好きってそんな綺麗事ばかりじゃ無いんだから。
受け入れられないって分かってた。
それでも好きで、
どうしようも無いほど好きで……
ただ、ただ
一緒に居れるだけで幸せやった。
ちゃんと分かってんよ。
拒絶されるって分かってたのに、
それ以上に気持ち知って欲しいなんて
おこがましい願いを持ってしもた。
なぁ、もう戻れへんの?
好きになってなんか言わへんから
そんな蔑んだ目で見んといてくれ。
お前にそんな風に見られるのがどれほど辛いか、
お前は分からないだろうけど
死にたくなるくらい苦しい。
言わなければ良かった。
今の関係全部無くすなら
こんな気持ち伝えなければ良かった。
だけど、もう誤魔化すのも耐えられんくらい好きになっとってん。
昔に戻りたい。
やっぱ、それは虫の良い話なんかな?
それでも好きで、
どうしようも無いほど好きで……
ただ、ただ
一緒に居れるだけで幸せやった。
ちゃんと分かってんよ。
拒絶されるって分かってたのに、
それ以上に気持ち知って欲しいなんて
おこがましい願いを持ってしもた。
なぁ、もう戻れへんの?
好きになってなんか言わへんから
そんな蔑んだ目で見んといてくれ。
お前にそんな風に見られるのがどれほど辛いか、
お前は分からないだろうけど
死にたくなるくらい苦しい。
言わなければ良かった。
今の関係全部無くすなら
こんな気持ち伝えなければ良かった。
だけど、もう誤魔化すのも耐えられんくらい好きになっとってん。
昔に戻りたい。
やっぱ、それは虫の良い話なんかな?
好きかって訊かれたら…やっぱり好きじゃないって答えてしまう。
……本心じゃ無いけど……そう簡単に『好き』なんて言えるはずがない。
……本心じゃ無いけど……そう簡単に『好き』なんて言えるはずがない。
嫌いって言葉はこんなにも簡単に口から出てくるのに……何でだろう?
大体、好きになるはずが無かったんだ。
強引で身勝手で似非優等生で……
…だけど……どこか優しい。
俺をよくからかうくせに、何かあった時はすごく心配してくれる。
あんな姿を見せられたら……俺の事本気なのかなって思ってしまう。
男が男を好きになるなんて有り得ない。
何より、誰かと付き合うのは柏原が初めてで、恋愛って実はよく分からない。
でも問題が起きたらあいつを頼ってる辺り、俺の気持ちも……実は決まってるのかもしれない。
無理矢理引き連りこまれて、何故か会長に選ばれて……。始めは冗談じゃないって思ったけど、このメンバーでいられる時間が今はとても大切だと思えるんだ。
同じ生徒会役員である現在。
それを引き継ぐ受験前……そして卒業。
出来るなら、俺の隣りには柏原に居てもらいたいと思ってる。
memo
大概BLで時々どっちつかず(笑)
ちゃんとしたストーリーと通常日記はありません。
ちゃんとしたストーリーと通常日記はありません。
カテゴリー説明
詞 ⇒ 書きなぐり。時々私的メモ。
彼之詞 ⇒ サイトのキャラの詞綴
君之詞 ⇒ 学生二人が交互に心情を綴ってます。
掛詞 ⇒ 1種を両視点から。
他 ⇒ お知らせ、その他。
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